2016年03月29日

リートとバブルとリスク

世界中の都市で、不動産価格は上昇しています。ロンドン・シドニー・ニューヨーク・東京、一度バブルがはじけたといわれた中国の各都市でも上昇しています。不動産バブルの懸念があるといわれて久しいのですが、一向に天井を打つ気配がありません。

不動産価格高騰の理由に不動産投資信託(REIT・リート)の存在が考えられます。
不動産への投資というのは、昔から財テクの手段として人気がありましたが、証券化することによって、管理を委託でき、手軽に不動産投資が出るようになりました。小額からはじめられるのも人気の理由でしょうか。
日本では、リーマンショック前後の時期に種類が増え、投資が活発になったイメージがあります。世界的に見ても、新興国を対象としたもののバリエーションが増えるなど資産規模が拡大しています。直近では、債券利回りが大幅に低下していることを理由に、利回りを求める投資も急増していると考えられます。

このリートですが厄介なのが、自己増殖力が強いことです。基本的に投資家からの資金は証拠金になり、金融機関から資金を借りることにより、レバレッジをかけ、不動産の購入、運用をしています。そのため、リートに資金が流入すると不動産価値は高騰、さらに資金を呼び込む形になりやすい構図になっています。当然、下落時にはその逆に動きます。リーマンショック後は金融機関の規制が厳しくなっているため、金融危機になることはないでしょうが、不動産価値が低下した場合には、信用が大きく収縮し、経済を低迷させる作用が強くなると予想されます。

不動産投資自体は実物投資であり、価格には限界があります。対象の不動産の利用者が払える額が家賃収入であり、その家賃を元に、適正な利回りを考え、不動産の価格が決まるはずです。日本がバブルのとき、アメリカの物件をかなりの高額で買い集めましたが、このときの価格は、利回りを考えていなかったとされていて、適正な価格ではないといわれました。現在の価格はどうでしょうか。利回りは適切でしょうか。持続可能な価格でしょうか。バブルのときの日本を批判した方たちは、現状をどう考えているのでしょうか。


不動産価格はしばらくは高騰を続けると考えています、現在の金融政策では仕方ないでしょう。必ずしも悪いことではないのかもしれません。しかし、下落は恐怖です。大規模な金融緩和をする力は、どの国の中央銀行にも残っていません。想像するのも恐ろしい事態が数年後にはやってくることを、しっかりと意識していきたいものです。



posted by いわくら at 02:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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