2016年08月03日

メキシコペソの下落の原因

メキシコペソが弱い状態が続いています。2016上半期の実質実効為替レートで、他の産油国と比較するとその異常さが目立ちます。この原因は何なのでしょうか。調べます。

ノルウェークローネ
+4.3
ロシアルーブル+6.4
カナダドル+6.1
メキシコペソ-8.9

産油国通貨は昨年は年間を通じて下落基調、今年に入っても2月までは急落、しかしその後の原油価格回復の影響で、値を戻しています。メキシコペソもこの動きに習いたいところですが、2月の上昇幅が小さく、その後再下落を始めた格好になっています。

経済指標を見てみますと、失業率は改善中。貿易収支も、為替安と原油価格の回復を受け、直近改善傾向。もうすぐ貿易黒字という段階に来ています。しかし、経常収支が改善していません、大幅な経常赤字が継続中です。つまり、貿易外の損失が大きくなっているということです。何が原因かと調べてみると、対外債務残高が大幅に上昇しています。リーマンショック前の6倍の水準で、現在も加速度的に増加していいるようです。これはまずい・・・・・。
リーマンショックによる経済への影響を財政出動で乗り切り、さらに、資源価格の下落対策にも、財政出動を利用したため、政府債務が増加、対外債務の急拡大に繋がったと推測されます。世界では先進国を中心に低金利、マイナス金利化が進んでいますが、メキシコでは通貨安対策のため、政策金利を緊縮的に設定しています。これがさらに金利の支払いの増加を招いているのかもしてません。

さらに、メキシコへの投資がやや減少しています。メキシコへの投資は、資源開発のほか、アメリカへの輸出を目指した、生産工場への投資などがあります。現在も投資案件自体はあると思われますが、金額ベースでやや減少中、資源価格の下落や、アメリカの大統領選、ドナルド・トランプ氏の影響などが考えられます。


こうしてみてみると、メキシコペソはしばらくは弱いのかもしれません。対外債務の増加というのは、経常赤字国にとって致命的な場合があります。経常赤字を債務と投資でまかなってきていたようですから、そのツケが回ってきているようです。正直この先期待していた通貨でしたから、ややがっかりです。今後投資を考える際には経常収支に注意が必要になりそうです。(次回の発表は8月19日です。)

実は、メキシコ以外にも、南アフリカやカナダ、オーストラリアなどで、対外債務の増加が顕著になっています。ご覧の通り、代表的な資源国です。このような国々の通貨が今後どのような動きをするのか、資源価格の動きとともに、注目していきたいところです。



posted by いわくら at 08:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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