2016年12月02日

アメリカドル高よりも、日本円全面安の相場展開

大統領選挙後のドル高も一服かなと思ったのですが、何か不安定な相場です。主役はアメリカドルでは無く、日本円の方でしょうか、円の動きが気になったので見ていきます。
大統領選挙前後での実効レートを比較します。


アメリカ大統領選挙前後での各通貨の実効レート

  
 大統領選挙前日
  11/7

   11/28
 
日本円JPY 92.287.4  -5.2%
アメリカドルUSD120.6125.23.9%
ユーロEUR  99.2 97.7 -1.5%
イギリスポンドGBP94.297.53.5%
※(参考)メキシコペソMXN72.867.1-7.9%

元データ
BIS Effective exchange rate indices daily Data



全体的に大きな値動きなのですが、日本円の下落が大きいことがわかります。新興国を含めたBISのデータ61カ国中、メキシコペソに次いで、2番目に大きな下落幅です。主要国の中では、独歩安になっています。

この原因ですが、ファンダメンタルズ的な見方では、特に理由は見当たらず、投機的といいますか、資金の流れが変わったとみた方が自然だと思います。ユーロと比べた場合ですと、年初から日本円の方が水準的な割安感が解消されていた(ユーロは割安水準が持続していた)ため、日本円の方が、下落余地があり、売られやすかったとは考えられます。

IMMの投機筋のポジションを確認してみますと、先週までの時点で、USD/JPYのショートポジションが大幅に減少しています。大統領選挙前までは、ドル安懸念からか、日本円のロングポジションは過去最高水準まで積み重なっていましたが、これが2週間で、一気に解消した格好です。
これをどう見るかは難しいのですが、アメリカの投機筋が大統領選挙が予想外の結果であったため、とりあえず本国に資金を引き揚げた。というのでいいのかなと思います。
たぶんこれと同時に、日本円のロングポジションを構築していた、個人為替トレーダーも、一斉にポジションを解消していた可能性があります。

そして、アメリカの金利上昇です。本日もアメリカ10年債金利が上昇中。直近の高値を更新しています。こうなりますと、金利を狙った資金移移動が起きます。投資先に悩む本邦機関投資家が、アメリカ長期債を買うというのは、自然な流れです。そして、短期金利はまだ上昇幅が小さい段階ですが、個人を中心と為替トレーダーも、円を調達通貨にした、キャリートレードに動きやすくなったと思われます。

下落幅が大きいため、もう少し要因を考えたいのですが、思いついたところはこんなところです。


直近の動きを見ると、アメリカドルの上昇は少し鈍くなっているように見えます。市場は落ち着きは取り戻してきましたが、材料が重なるなる時期でもあるため、日本円は、もう一段階の下落も想定しておいた方がいいのかもしれません。
キャリートレードの資金移動は、長い間続くことも多く、時期も水準も想定しにくいものです。現在の動きは必ずしも、長期的な水準感が反映されていません。この短中期の相場が終わったとき、大博打に打って出る、チャンスが訪れるのかもしれません。

posted by いわくら at 10:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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