2016年12月10日

強くない中国の、弱くない人民元

日本円独歩安が続いています。相変わらず、読みづらい相場展開です。ECBはテーパリングを始めましたが、ユーロは上昇せず、ドルは、上値は重たくなってきましたが、上昇傾向、高値は続きそうです。

中国人民元の話です。
中国人民元は、アメリカ大統領選挙後、対ドルでは下落していますが、実効レートベースや、CFETC RMB indexを見ると、上昇が確認できます。
今週、中国人民銀行の外貨準備高が公表されましたが、3兆500億アメリカドルと、ギリギリ3兆ドル超えの水準です。現在のペースで減少が続きますと、今月末には、3兆ドルを割る見込みです。3兆ドルという水準は、特に意味は無いのですが、実際に為替介入に使用できる外貨準備の量は、それほど多くは無いとみられているため、この水準を下回った段階で、投機筋などからの元売り圧力が高まることが予想されています。

外貨準備高と人民元の水準の変化をざっくりとみていきますと・・・。

    外貨準備高   人民元  
 2014年夏〜 減少 維持  
 2016年初〜 維持 下落  
 2016年9月〜  減少 維持  
       

2014年8月に、アメリカドルに対して、大幅に下落した後、下落傾向でしたが、外貨準備を使用することで、為替水準を維持してきました。2016年は年初から、為替の下落傾向が強まりました。中国政府の為替政策が変化したものと考えられます。この期間の外貨準備高には大きな変動はありません。そして9月からは、また外貨準備高の下落が始まり、為替水準は、維持されています。
つまり、2014年夏以降、中国国内の資本が、海外に流出していることには変化は無いけれど、為替の水準については中国政府(人民銀行)が決定しますよという政策になっています。
しかし、上記の通り、外貨準備高が減少しているため、今後の人民元水準の維持は難しくなっていくと考えられます。

人民元が下落した場合の他の通貨への影響ですが、貿易関係が深い、オーストラリア・ニュージーランドといったオセアニア通貨、日本を含めた、アジア通貨全般への影響が当然大きくなります。
また、中国が現在行っている、外貨準備高の削減は、アメリカ国債の売却を伴うため、これ終了した場合、アメリカ長期国債の金利の下落が考えられ、その影響は世界中の通貨に及ぶと予想されます。


最近中国政府は、従来の資本流出規制に加え、海外への投資や金の購入を制限するなど、躍起になって、資本流出を防ぐ構えのようです。それでも資本の流出は続いています。今後は、原油を中心に、資源価格が上昇を始めるため、さらなる外貨が必要になります。人民元の現水準は危険なものなのかもしれません。


posted by いわくら at 12:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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