2016年12月23日

ユーロ(EUR) 為替予想2017前半

ユーロ【EUR】
☆総評「強い」
現在下落中の通貨ですが、反転して、上昇すると予想します。水準はかなりの割安、長期的な視点での仕込み時だと考えます。目先は、このまま下落する可能性も高く、タイミングを計っていきたいところです。

ユーロ圏経済は、混乱の中成長を続けています。失業率がようやく10%を割るなど、回復の兆しがみせ、資源価格の下落の恩恵を受け、経常収支がGDP比3%を超える黒字になるなど、ギリシャショックといわれていた時期に比べると大きく回復しています。輸出企業は、ユーロ安の恩恵を受け好調です。実質実効為替レートやユーロドルの為替レートが、リーマンショック後最安水準、ユーロ発足後のなかでも、かなりの低水準になっています。正直、この水準を正当化する理由は見つかりません。

ユーロ圏の問題は、リーマンショック時から続く銀行の不良債権問題です。アメリカと違い、リーマンショック後の不良債権処理があまり進んでおらず、今となって、イタリアの銀行などで噴出した格好です。モンテパスキへの公的資金投入など個別事案よりもユーロ圏全体での取り組み方が課題のような気がします。
もう一つ2017年も政治的なイベントが問題になりそうです。ドイツなどで選挙が予定されていて、短期的だと思いますが、為替も大きく影響を受けそうです。

ECBの金融政策ですが、国債の買い入れ量を減らす代わりに、期間を延長しました。本質的な考え方は変更していない状況です。今後、資源価格上昇からインフレ率が上昇した場合、どのような政策をとるのかに注意する必要はありそうです。
現状のマイナス金利の影響で、ユーロ圏からアメリカ・新興国などへ資金が流出しています。個人投資家を含め、レバレッジの掛かった、キャリートレードなのですが、規模が膨らんでいます。巻き戻しの時がユーロを狙うチャンスなのですが、タイミングは難しいものがあります。


☆トレードアイデア
・EUR/NZD 買
・EUR/CNY 買
・EUR/TRY 買
・EUR/USD 買

足下の下落状況が不安ですが、積極的に買いたいところです。すぐに結果が出るトレードでは無いでしょうが、期待値は大きく見て良いと思います。2017年の間は、困ったらユロルを買うが安全でしょう。


タグ:ユーロ EUR
posted by いわくら at 17:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 為替予想 2017前 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中国人民元(CNH) 為替予想2017前半

中国人民元【CNH】
☆総評 「弱い」
2015年の8月の下落以降、下落基調が続いてる中国人民元2017年も下落予想です。2016年9月からは人民銀行が為替介入により、人民元相場を支えていますが、外貨準備高減少しているため、どこまで介入を続けられるのかが鍵になりそうです。

中国経済は良好な状態。2016年に入ってから、政府が公共投資を増額させ、経済の底割れを防ぎました。経済成長率も中国政府の想定内で上昇しています。資源価格下落の影響で、経常収支は改善傾向ですが、足下で貿易収支が伸び悩んでいるのが気になるところです。中国政府が進めている供給側改革(不良債権処理・過剰設備の廃棄)の影響があるのかもしれません。ここ数年悩まされていた、生産者物価の下落が収まり、上昇傾向にあるのも、この供給側改革の成果だと思われます。

中国経済のリスクの一つが、資源価格の上昇です。中国は基本的に資源輸入国のため、原油・天然ガス・銅・鉄鉱石などの資源価格の上昇は、経済に悪影響を与えます。当然為替相場にも下落圧力がかかることになります。
そしてもう一つが、アメリカ長期国債金利の上昇の影響で、中国国内の長期金利が上昇していることです。新興国全体でおこっていることですが、これが資金繰りを悪化させ、企業業績を悪化させます。倒産が増え、失業率が悪化した場合、中国人民銀行が緩和的な金融政策に変更する可能性もあります。

中国人民銀行の為替介入の原資である、外貨準備高は2016年11月末現在で3兆ドル強です。すぐに為替介入をやめる水準であるかは、判断が難しいのですが、現在の資本流出が続けば、2017年中に介入余力が無くなると推測されます。タイミングは難しいですが、人民元の下落は不可避だと思われます。

短期的な話ですが、年始は人民元から外貨への両替が増加する時期のようなので、年明けすぐの相場は大きく動く可能性があり、注意が必要になりそうです。


☆トレードアイデア
・EUR/CNH 買
・CNH/JPY 売

とりあえず、下落目線です。相手はアメリカドルよりも、水準に割安感があるEUR・JPYで、中国経常黒字国のため、下落幅は限られるような気がするのが、投資対象としては寂しいところです。


posted by いわくら at 01:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 為替予想 2017前 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年12月22日

ニュージーランドドル(NZD) 為替予想2017前半

ニュージーランドドル【NZD】
☆総評 「やや弱め」
2016年は粘り強かったニュージーランドドルですが、弱気予想です。資源価格の動向によりますが、下落リスクが高めと判断します。

ニュージーランド経済は、他の先進国と比べ、好調です。2015年頃からの乳製品価格下落の影響を乗り越え成長しています。失業率は低下中。個人消費主導の景気上昇だと考えられますが、オーストラリア同様、不動産バブルが懸念されていて、これが個人消費を促しているのだとすると、先行きが気がかりです。輸出品である、乳製品、食肉は値上がりが期待できる環境にありますが、同じく値上がり予想のエネルギー資源や鉱物資源を輸入しているため、交易条件としては、それほど影響が無いと思われます。
2017年は経済関係が深い、隣国オーストラリアと中国の経済状況・貿易状況は、それ程良くは無いとみられるため、これらの国への輸出状況如何では、経済が悪化気味になる可能性もありそうです。

ニュージーランドドルは、国債格付けが高い通貨の中では、比較的高金利のため、キャリートレードによる影響考える必要がありそうです。リスクオンの環境では、資金流入が増加しますが、人民元が下落するようなリスクオフの場合だけで無く、アメリカの金利が上昇した場合などに、ニュージーランドドルから、アメリカドルへの資金移動なども考えられ、注意が必要です。
金融政策は緊縮的で、中央銀行は現時点で、これ以上の利下げは考えていないとのことなので、利下げからの資金流出は、問題無さそうです。


☆トレードアイデア
・NZD/NOK 売
・NZD/EUR 売

今すぐでは無いですが、上値が重くなってきたり、中国人民元が下落しそうな場合に、売りで持ちたい通貨です。産油国通貨のノルウェークローネとのペアは興味深いところです。

posted by いわくら at 20:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 為替予想 2017前 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オーストラリアドル(AUD) 為替予想2017前半

 オーストラリアドル【AUD】
☆総評「中立」
材料が多く、判断が難しいイメージです。決して安定という意味での中立ではありません。現水準はやや高めも、鉱物資源価格が上昇しているため、割高感は薄れてきそう。比較的強かった2016年の勢いをどこまで続けていられるのかが重要だと思います。一度大きく下落してもらえれば、長期では買いやすい通貨です。

オーストラリア経済は低迷中。資源価格下落の影響を受けて、マイナス成長です。失業率は最悪期を抜け、改善傾向、物価も安定しています。経常収支は、比較的大きな赤字ですが、主要産業の、鉄鉱石・石炭の価格が大幅に上昇してきたため、改善が期待できます。シェール開発を含む、資源開発系の資本が流入しやすい環境です。
政策金利が高かった頃は、キャリートレードの資金が多く流入していましたが、現在は低金利のため、この規模は縮小していると思われます。

最大のリスクは、中国人民元の下落懸念でしょうか。オーストラリアは中国との貿易が非常に大きいため、直接的な影響を受けそうです。また中国からの資本が不動産市場に流入しているため、不動産が高騰しており、リスクオフの際には、急速な資本流出も懸念されます。


☆トレードアイデア
・AUD/EUR 売

基本的には、あまりポジションを動かすタイミングでは無いかなとみています。中国人民元下落の際に上昇しそうなEURとのペアでどうでしょうか。
posted by いわくら at 17:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 為替予想 2017前 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年12月21日

日本円(JPY) 為替予想2017前半

日本円【JPY】
☆総評 「やや強い」
「「中立」様子見。」ぐらいの予想にするつもりだったのですが、足下で大きく調整が進んだため、色気を出して、強気予想。しばらくは、現在の動きが続きそうですが、その後の動きは、難しいところ。上値余地はソコソコあるイメージです。
2016年は年初~年前半は大きく上昇、年後半はアメリカ大統領選挙後に大きく下落し、やや忙しい年になりました。2017年もボラティリティは大きくなるのかもしれません。


経済は、低成長と低失業率がセットになっている、典型的な茹でガエルですが、安定感があり、大きな動きは無いでしょう。日本発の為替材料は、金融政策がメインですが、ここから大幅な金融緩和は手段が無く、厳しいため、こちらも動きにくいと予想します。現状大幅な経常黒字が続いているため、何らかの動きがあれば、上昇のする可能性が高そうです。

足下の動きですが、IMM通貨先物ポジションが、日本円の「大幅な買い越し」から「大幅な売り越し」に大きく動きました。シカゴ筋か為替を動かすことはままあるのですが、あまりに急激な動きに驚いています。過去の水準から見て、現在のペースで売りが続くと、売りの余地が、残り数週間分ぐらいになるため、日本円は、2016年年末~2017年2月ぐらいまでに、底をつけると見ています。

下落リスク要因は、資源価格の上昇です。原油や天然ガスといったエネルギー資源だけで無く、銅・鉄鉱石なども大きく上昇しているため、日本の交易条件は、大きく悪化しそうです。しかし、為替への影響は年後半以降がメインになるのではないでしょうか。


☆トレードアイデア
・CNY/JPY 売り
・ZAR/JPY 売り

ドル円の売りでもいいのですが、人民元の方が下落幅があると思います。タイミングは難しく日本円の底の確認は必須になります。南アフリカランドは、原油価格が上昇した場合に下落しそうな通貨という意味合いです。

タグ:日本円 JPY
posted by いわくら at 14:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 為替予想 2017前 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年12月19日

2016年後半のまとめと2017年の予想

早いもので年末になりました。
2016年後半のまとめと、2017年前半の予想です。

2016年後半は、なんといってもアメリカ大統領選挙でした。
選挙前までは、材料も無く、動きの少ない相場展開、値動きを確認してみたのですが、7~10月は資源国通貨がやや強いこと以外は、何も無いといっても良いと思います。
選挙後は、値動きの大きな環境になりました。日本円の大幅安が特徴ですが、円の他にもユーロ・スイスフラン・トルコリラ・メキシコペソが値を切り下げ、アメリカドル・イギリスポンドが値を上げるなど、調整の無い、一方的な値動きが見られます。アメリカ長期金利の上昇が目立ちますが、鉄鋼や銅といった、資源価格の高騰、OPECの減産合意が決定したことによる、原油価格の上昇など、材料は多く、必ずしも、新興国の下落につながらなかったのが興味深いところです。オセアニア通貨が検討するなど、経常赤字国通貨の上昇も目立ちます。
個人的には、アメリカドルの下落を予想していたため、今回の動きには驚かされました。つらい半年でした。


2017年は値動きが大きな相場環境が続くと予想します。
アメリカドルの動きが重要になりそうですが、ここからさらに大幅に上昇するのは難しいと予想します。現状の主要通貨の水準は、偏りが見られ、調整が必要な段階です。アメリカドルの上値、ユーロの下値は、現状が限界付近かと思われます。ユーロドルがパリティを見る程度の動きはありそうですが、そこからの反転は大きくなるの可能性が高いとみています。主要通貨では、日本円は、上昇の余地がありますが、予測しづらい環境。イギリスポンドも先行きは不透明です。

もうひとつのテーマは、原油価格です。足下の上昇基調は投資資金の流入が原因のため、いったん反転すると見ています。来年1年の値動きは、上値を試す展開が本筋だと思われます。WTI55ドルから先はシェールオイルの生産が増加する価格帯といわれているため、中期的な安定水準を55~60ドル程度に見ています。短期的には60ドル以上になることは十分にありそうです。産油国通貨はもう1・2段階程度の上昇を見込んでいます。

最後のテーマは中国人民元です。直近の動きは安定していますが、中国国内からの資本流出が続いているため、外貨準備高が減少中、来年中の人民元の下落は避けられないとみています。経常黒字国のため、崩壊のような形にはならないでしょうが、初動は大きくなる可能性があります。アメリカの長期債や資源価格、アジア・オセアニア通貨への影響が懸念されます。
また、本質的な下落とは違うと思いますが、2016年は年初に大幅に下落しているため、ここから年明け辺りの値動きは注意が必要だと思います。



今年は、為替が政治的な動きに振り回された年と言われました。こういった値動きの場合、基礎的な水準に関係なく相場が動くことが多々あります。実際、足下の水準感はグチャグチャで、何を元に予想するのかが、見えにくくはなっています。そんな中、少しずつですが、材料が整理できてきたのかなと思います。この状態のまま、来年も為替予想に励んでいきたいと思います。
それでは、みなさん良いお年を・・・・・・。

というにはまだ早いので、明日から、個別通貨の予想をしていきます。15~16通貨ぐらいを予定しています。

posted by いわくら at 20:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年12月17日

メキシコペソとトルコリラ

FOMCは予想通りの利上げ、その後アメリカドルは、アメリカドルインデックスが、リーマンショック後の最高値を更新するなど上昇。上げ幅は1%強と限定的。どちらかというと、日本円安、ユーロ安が目立ちます。ここからは、年末相場でしょうかね。


新興国通貨で注目の、メキシコペソとトルコリラの話。

メキシコとトルコといえば、新興国の中では、工業的に成功した国で、これからは人件費が課題・万年経常赤字国・治安が悪い・高金利の対外債務・メキシコはアメリカ、トルコはEU圏への輸出が突出して高く、一地域への輸出に依存しているなど、共通点があります。そしてなんといっても、どちらの国の通貨も、現在大幅に下落しています。

では相違点はどこでしょうか。一番大きな違いは、メキシコはエネルギー資源輸出国で、トルコは輸入国であることでしょう。メキシコ経済はここ数年のエネルギー価格下落の影響で低迷中です。対して、トルコでは、この影響を受け、経常赤字が縮小しました。この違いが今後の通貨の動向を占う上での鍵になりそうです。


エネルギー資源価格が上昇した場合、メキシコ経済は素直に好影響を受けると考えられます。原油掘削への投資の他、シェール資源の新規開発案件も期待できると考えます。今後の経済で心配される点は、アメリカ企業などがメキシコへの投資を減らす可能性があるということです。これはアメリカの政治の問題も絡んでいるので、難しい問題になりそうです。メキシコペソの下落の原因が、原油安とアメリカ大統領選挙であったことを考えますと、来年は飛躍が期待できます。
トルコ経済は、資源価格下落の恩恵を受けている状態です。しかし貿易的には、経常赤字は縮小しましたが、経済成長はマイナス、失業率も高い状態が続いています。今後、エネルギー資源価格が上昇を始めると、非常に厳しい状態になることが予想されます。インフラ投資も必要ですので、鉄や銅といった鉱物価格の上昇も悪材料になりそうです。トルコリラの下落はこれからも続きそうです。トルコの強みは、新興国最大クラスの観光国であるということです。これは今後のトルコ経済を考えると非常に大切な産業になってきます。現状では、IS・テロといった治安の問題があり、この分野の低迷してしまっていることが、残念でなりません。


メキシコ・トルコというのは新興国の中では経済規模が大きく、世界経済へも少なからず影響を与えています。またこの地域の経済が、アメリカ・ヨーロッパ、資源国・非資源国といった分け方をした場合の、リトマス試験紙のような見方ができると考えています。
来年は、メキシコペソ・トルコリラ、この二つの通貨が、世界経済の象徴になるような、そんな気がしてなりません。


posted by いわくら at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする